① 弊社からの廃棄衣料をゼロに(つくる責任)
日本の廃棄衣料の数は年間100万トン、全世界では9,200万トンと言われています。綿花栽培による農薬、そして化学繊維に使われる石油とアパレル産業は有数の環境汚染産業。ニィニでは衣料品の過剰供給と廃棄を減らすことを目指し、自社からの衣料廃棄ゼロを実現しました。
ニィニでは2018年より衣料廃棄問題を中心とした
「捨てないアパレル」への取組みを行っています
「SDGs.12 つくる責任、つかう責任」を基盤に、
製造業として私たちが衣料廃棄を出さない「つくる責任」の達成だけではなく、
消費者に「つかう責任」を伝えていく「伝える責任」を果たしていきます
日本の廃棄衣料の数は年間100万トン、全世界では9,200万トンと言われています。綿花栽培による農薬、そして化学繊維に使われる石油とアパレル産業は有数の環境汚染産業。ニィニでは衣料品の過剰供給と廃棄を減らすことを目指し、自社からの衣料廃棄ゼロを実現しました。
我々製造業者が努力しても、消費者が意識を変えなければ廃棄衣料は減りません。ニィニではイベントや講演、教育現場での学校や工場見学を通じて、消費者に対して「つかう責任」を伝えていく啓蒙活動を行っています。
「捨てないアパレル」を通してモノづくりの意義を伝え、日本全体の衣料廃棄量削減を目指します。そして衣料品国内生産率の増加、ひいてはアパレル業界にとどまらず、日本全体・世界全体における循環型社会への移行へ貢献していきます。
NINIでは3つの柱で自社からの廃棄衣料ゼロを実現。
それに加えて、過度な値下げやセールを行わない「適正価格」の維持を実行し、弊社だけではなく協力工場やアパレル産業全体にも貢献していくことを目指しています。
●廃棄衣料ゼロを実現する3つの柱
①セミ・オーダー(受注生産で廃棄衣料ゼロ)
②リメイク(捨てられる衣料品を未来へつなげる)
③レンタル(1着の洋服を共有し無駄を省く)
消費者が購入(=選択)した企業しか生き残っていけないことから「消費は未来へのVOTE®」と言えます。
消費者へ「つかう責任」を伝えたいと、ニィニでは「未来を選び取る消費」と題したシンポジウムの開催、
教育機関での特別授業やセミナー・講演を行っています。
●「未来を選び取る消費」シンポジウム(2018年)
2018年の埼玉県の川口リリアにて
初回のシンポジウムを開き、
100名以上の方々に、ご来場いただきました。
●ファッションショー&トークショー @蟠龍寺(2019年) 着物のリメイクにこだわったファッションショー、そして トークショーを開催し、ニィニの思う「捨てないアパレル」 について発信いたしました。
ニィニでは「捨てないアパレル」を通して、「環境」「社会」「経済」の
3つの側面からSDGsに取組んでいます
「捨てないアパレル®」の活動を通じて、「消費は未来へのVOTE®」であることを
消費者に伝えていくために。過去を紐解く「捨てないアパレル」を始めるにいたった
きっかけと未来へ向けたニィニの考えを述べさせてください。
捨てないアパレルという取組みを始める際には、グローバルとローカル双方向からのきっかけがありました。
―グローバルな視点
2001年、弊社社長がバングラディシュの縫製工場を視察した際、 いつか大きな事故につながるのではないかと憂慮されるほどの工場の貧弱さ、過酷な労働環境に衝撃を受けました。 その12年後にその懸念が現実となり、バングラディシュの縫製工場倒壊事故によって1,000人以上の犠牲者がでます。
起こるべくして起こった事故に心を痛めていたのと時を合わせて、ファストファッションが台頭。さらに業界の暗部が広がったと感じる中、アパレル業界の裏側を暴いていくドキュメンタリー映画「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」と出会い、アパレルに関わる企業として行動を起こさねばという想いが芽生えました。
―ローカルな視点
何か行動を起こしたいと思いつつも、自分たちに何ができるかを模索していた中、8年前に弊社社屋の建替えを行いました。その際に廃棄した生地は2トントラック1台分、廃棄衣料の「加害者」となった罪悪感によって、「捨てない!」という決意はさらに強固なものとなりました。
取締役である私、保坂郁美は中学生と高校生二児の母でもあります。
地球規模での課題だけではなく、子供たちに未来を残していきたいというとても身近な関心のためにも、自分たちが行動をしていかねばならないことを心に刻み、この事業に真摯に向き合っています。
私たちは社員10数名の小さな企業です。ニィニのDNAをより強固にし、しっかりしたものづくりを実現するためには、今後も少数精鋭で細やかなコミュニケーションがとれる、この規模での事業展開が不可欠だと考えています。
社会全体を循環可能なものとするために、NINIが目指すのは自社の拡大ではなく業界のオピニオンリーダー。
「捨てないアパレル」という理念に賛同し、多くのアパレルメーカーがNINIに続いてほしいと考えます。
だからこそNINI自身が大切な社員一人一人に向き合い、これからもチーム一丸となって真っすぐに邁進してまいります。
元々丁寧なものづくりをしていた弊社ですが、そもそものDNAは創業者であり現在の専務取締役でもある母の、物に対する愛情深さにあると考えています。 幼少期から母が大切にしてきた洋服を着て楽しみ、それをまた私の子供たちが着て楽しむ。本来洋服とはただのモノではなく、その家族の想い出そのものなのです。
ここ20年ファストファッションの台頭により、洋服のあり方が根底から崩れました。この危機感は私たち家族だけが感じているものでは決してなく、今や世界的規模の環境汚染問題です。
地球資源は永遠ではないこと。本当の命を生み出すように未来と真剣に向き合い、ものづくりに関わる覚悟、弊社のDNAである「捨てないアパレル」の理念をこれからもまっすぐに次世代に繋いでいきます。